今回はワタリウム美術館で開催中の『エンプティ・ガーデン2』展についてです。
しばらく忙しかったため展覧会探訪の更新も遅れており(すみません)、見たいと思いつつずっと行けずにいた展覧会でしたが、見に行った日も大変暑くヘロヘロではありましたが、私にとって行って良かったと思える展覧会でした。
見に行った日は暑い休日の白昼でしたが、ちょうど私が見に行った日のその時間は、ワタリウム美術館の展示会場である2〜4階には誰もおらず、その空間を独り占めしている状態で展示をゆっくりと楽しむことができました。
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まず2階にシュタイナー&レンツリンガーの「ホエール・バランス」という作品があり、モビールのようなものか高い天井からぶら下がっていました。
モビールについている小物は、2人が1ヶ月あまり日本に滞在した間に収集したもので、山で拾い集めた小枝や、東京の下町で購入した薄いプラスチック製の商店街やお祭のときなどにひらひらと飾られている花などの装飾品で、それらが感じるか否かという位の微妙な空気の流れでゆっくり動いている。なんとも言えない浮遊感でそれらが空中を動いている。小物をよく見てみると、花の芯に使われているのはお茶を立てる際に使用する茶筅であったり。これまたなんともいえない。
モビールの真下には3台の白いマッサージベッドが置かれてあり、会場入口で配られるガイドブックには「マッサージベッドに横になり、作品を下から御覧ください。」と書いてある。
誰もいないことだし、早速ベッドに横になってみる。
この2階のスペースは床にカーペットが敷かれているため、作品空間に入る際に既に靴は脱いでおり、当日サンダル履きだった私は素足で、今度はベッドにまで横になっている状態。ベッドに横になり下から作品を見上げてみる。
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全くの無音ではないけれど、これといった音もなく、ゆっくりと作品が動いている。マッサージベッドというだけあって寝心地は快適で、重力で下に(ベッドに)体が吸い込まれるように感じ、浮遊している小物たちに囲まれ、少しだけ自身もまた浮遊しているような感じを覚えました。4階のトーマス&フレヒトナーの「スパイス・ガーデン」という作品は、南インドのケララ地方の地名で、作家がジャングルに滞在して植物と光を撮影したシリーズ写真で、85枚の写真がゆっくりとスライドで映されていくものでした。
この作品も、じっとその場に留まり見ていないと、ちらっと見ただけではまるでなにも映像が変化していないように思える作品で、私も椅子に座り、しばらく静かに見続けていました。
同じく4階にあるクー・ジュンカの「エンプティング・アウト」という作品も、作品は170cmの台の上にあるので、長身の人以外は自分の目線だけで周りをみていると、そこにはただ壁があるだけで作品が見えない。壁の向かいにある台に乗って見渡してみると初めて作品が見えてくる。見ているつもりでいても、見ていないことも沢山ある。気が付かないと通り過ぎてしまう。けれど少し目線やものの見方を変えると見えてくるものがある。
その他に円空の仏像やイアン・ケアのインスタレーション、フェデリコ・エレーロの「架空の広告シリーズ」がありましたが、 “Empty”といっても全く何もない、無のわけではなく、そこにあり、いる。そこに留まり、静止すること。そして通常の頭の位置や目線を変えてみる。体や頭や心を静める。そういうことは大切で、また新たに感じてくるものや見えてくるものがあるような、そんなことを思う展覧会でした。
私が展示を見始めて少し堪能したかなと思う頃、何組かの人が会場に入ってきました。
ざわざわとし始め、私がなんとなくそのようなことを感じていた空気とは、また異なる空気が流れ始めました。
今回の展示は一度入場券を購入すると期間中何度でも入ることが可能なので、どのような状況で作品に触れるかでまた感じ方も変わってくるだろうと思い、また別の日に来てみようと思いました。
少し変わった空間に身を置けるのも楽しいので、興味がある方は見に行ってみては、と思います。
けれどやはり私は、次回もできれば他に人がいないときの方がいいかな。
『エンプティ・ガーデン2』展 / 〜2004年9月26日(日)まで
ワタリウム美術館 (TEL:03-3402-3001)
11:00 〜 19:00 (毎週水曜日は21:00まで延長)
休館日:月曜日
入館料:1,000円
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