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>> 展覧会探訪〜No.7 『信耕ヒロ子展〜編み込まれたユーモア〜』

今回は籐を使った作品を発表している信耕(しんこう)ヒロ子さんについてです。
私が信耕さんの作品を初めて見たのは、1995年に衣装製作で参加された宮本亜門のミュージカル『熱帯祝祭・マウイ』での舞台写真でした。
その時既にミュージカルの公演は終了していたため、実際に見ることはできなかったのですが、「見てみたかった」と非常に残念に思ったということを憶えており、また確かその後にBSでミュージカルが放送された時、信耕さんの衣装見たさにテレビを見たように思います。
けれどその後実際に見る機会がなく、今回初めて実物を見るに至ったわけですが、デパートのディスプレイや映像など活躍の場も広いことを知り、「これは見に行かなくては」と行ってきました。

今回はTEPCO銀座館の中にあるギャラリーだったので、スペース的には広くはなかったのですが、まず籐で編まれたチーズパンの照明が入口に飾られてありました。
丸くコロコロした籐のチーズパンがいくつもぶら下がっており、籐の自然な素材感が暖かい明かりを生み出していました。それは焼きたてのパンの“ほかほか感”を思い出させ、「焼きたてっておいしいんだよな」と少し楽しくなりました。

今回の作品は製作活動のきっかけともなったというタイヤの付いた車などの子供用の玩具から、『昆虫シリーズ』のバック、等身大の女性を造った『靴を選ぶ女』、ディスプレイ用に造られた大きな孔雀、ライフワークともなっているという似顔人形シリーズなど。
私が今回特に好きだったのは『昆虫シリーズ』のバックで、カブトムシのリュックやショルダーバック、バッタやてんとう虫のバック。面白くて可愛いのだけれど、甘すぎない感じの形や色がとても良く、ファスナーや蓋をするホックもきちんとついている。
日常使用するものとしての使い勝手は?ですが、「持ったら楽しいだろうな」と身につけている様子を想像しながら見ていました。

「似ている」と思った似顔人形シリーズは、これもまた籐でうまく特徴を掴んで表現されており、籐というと私の中には籠や椅子などの雑貨やインテリアのイメージが強く、籐で造形物を造るというイメージがなかったため、信耕さんの作品を見てとても自由で楽しく新鮮に感じました。
そして「形も色も、籐でこんなに自由な表現ができるんだ」と素材としての籐を改めて見直せられたような気がしました。

作品を制作している映像も流れていましたが、幅2mmの籐を編み易くするために水で濡らしながら、写真や頭の中のイメージで編み上げていく。着色は編む前にする方法と、編み上げた後にする方法との両方があるとのこと。
どんどん編み上げられてく手の数は、籐の幅はわずか2mmということもあり半端ではないということを感じされられましたが、「見る人や使う人が楽しい気分になるような、お洒落で個性的なモノを創りたい」という作家の気持ちが伝わるような作品でした。
そしてまた、きっと製作の過程も楽しくて、世界もどんどん広がっていったのだろうなぁということも感じました。

今回作品を見ていいなぁと思った故にやはり思ってしまったのが、初めて作品を見た写真が素敵だったということもあり、衣装としての作品を実際の舞台で見てみたいということ。
製作の過程はさぞ大変だろうなぁとは思うのですが、また衣装製作で舞台に参加されることはないのかな?と思ってしまいました。
でも舞台とは言わずとも、様々な場で作品に出会えることが楽しみなので、これからも色々と見ていけたらなと思いました。

『信耕ヒロ子展〜編み込まれたユーモア〜』/ 〜2004年9月28日(火)まで
TEPCO銀座館プラスマイナスギャラリー(TEL:03-3575-0456)
10:30 〜 18:30  休館日:水曜日
無料


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