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>> 展覧会探訪〜No.8 『アーティストたちのおもちゃ〜作家からの贈りもの〜』展


今回は女子美術大学内にある女子美ミュージアムで開催中の『アーティストたちのおもちゃ〜作家からの贈りもの〜』展についてです。
女子美術大学は自宅から近く、一度行ってみようと機会を探していましたが、今回開催中の展示のチラシを見て、好きな作家の作品が多く出ているので早速見に行きました。

『作家からの贈りもの』ということで、作品を制作中に一時制作から手を休め、アーティストたちが自分の家族のために、または子供たちのために制作したおもちゃなどの「贈りもの」が展示されていました。
藤田嗣治・香月泰男・猪熊弦一郎・有元利夫・若林奮・舟越桂・ピカソの7名の素敵な「贈りもの」を堪能させていただきました。

まず香月泰男の作品は「シベリア・シリーズ」で有名な作家ですが、展示されていた作品は廃品を利用したおもちゃで、廃材・銅版のきれはし・釘・針金などでつくられた「サーカス・シリーズ」や「楽団シリーズ」、「動物シリーズ」などがありました。
それらのとても表情豊かで面白い。廃品が見事に甦っている。
けれどおもちゃ作りの最初は、孫と留守番をする羽目になり、孫を楽しませるためにしたことがきっかけだったようです。
それがおもちゃが次第に数を増やしていき、ファンの目にも止まるようになったとのこと。
「シベリア・シリーズ」も香月泰男だけれど、これも香月泰男なのだ、と感じさせられました。
 
次は若林奮で、恥ずかしながら私は今回初めてこの作家を知りました。
けれど娘さんたちに贈られた絵本・木の車・人形・どこへでも行けるパスポートなどの数々の作品を見て、そして娘さんたちがそれらを本当に大事にしていたこともわかり、とても温かい気持ちになりました。
私はきっと、お父さんの手は何でも創れる魔法の手で、お父さんからの贈り物はきっと娘さんにとって自慢だったのではないかな、などと勝手に想像を膨らませて見ていました。
今回の展覧会は全国6箇所を巡回していますが(女子美ミュージアムが最終)、昨年11月から始まった展覧会を楽しみにしていた若林奮氏は昨年10月に亡くなられ、生前、展覧会のためにご本人が書かれた文章も展示会カタログに寄せられていました。
すっかり興味を持ち、是非作品をもっと見たいと思いました。
そして調べてみると、鉄や木を使った若林奮の彫刻作品は東京国立近代美術館に所蔵作品としておいてあり、10月3日まで所蔵作品展として特集を組み展示をされていたことを今更ながらに気が付き、終了してしまったとショックだったのですが、所蔵作品ということで見られる機会もるはず、と今度近代美術館に行ってみようと思いました。

舟越桂の作品は、作品製作中に出た木っ端を利用したものですが、描かれている絵や着色など「やはり舟越桂なんだなぁ」と思いました。
誕生日やクリスマスなどに家族に贈られたミニカードも沢山あり、色々な素敵な絵が描かれていました。ワクワクするような素敵なカードで、これも貰ったら宝物だよなぁと思いました。

藤田嗣治の作品はドールハウスやブリキのジョウロに着色したもの、ビーズなどでできたおもちゃのそろばん、宝物をいれるような小箱など。
器用で自宅の家具なども手作りしたようで、その様子が分かる自宅の写真パネルも展示されていました。子供や猫などが好きだった藤田嗣治が分かるような作品でした。

展覧会に行った当日は「有元利夫からの贈りもの」ということで、夫人の有元容子さんの記念講演会があり、私は事前に申し込みをし講演を聞きました。
38歳の若さで亡くなった有元利夫についても、私はその作品しか知らずにいました。
けれど今回容子夫人が作品のスライドを見ながら、それぞれの作品についてのエピソードを話してくれ、今回のことで有元利夫の作品を見る目も少し変わることになり面白くなったなぁと思いました。
また夫妻が良きパートナーであったこと、容子夫人はそれを誇りに思っており、亡くなってから色々と大変だったようですがそれを乗り越え、そして19年経つ今も有元利夫は日本画家として活動を続ける容子夫人を支え続けていることを感じました。

女子美術大学は郊外にあるということもあり、キャンパスは緑が多く、隣に大きな公園もあり、近所に住む一般の方々も散歩がてらに度々ミュージアムに訪れているように感じました。
私が行った日はとてもお天気が良かったのですが、天気が良いととても気持ちの良い空間なので、機会があったら訪れてみるのも良いのではと思いました。

しかし今回残念だったこと。
それは今回の展覧会で面白いモビールを創るアレクサンダー・カルダーの「カルダー・サーカス」(カルーダーが座長になり、制作したオブジェたちが行うサーカス公演。パリのアトリエで誕生し、当時パリに住んでいた芸術家たち、ミロ、マン・レイ、レジェ、コクトー、モンドリアン、藤田嗣治なども見たという。)のビデオが上映されていたのですが、1日2回しか上映がされておらず、講演を聞きに行った私は見られなかったということ。
カルダーは30年にわたってミニチュア・サーカスを催し、サーカス団のおもちゃたちは50体以上にも及んだそうで、そして最初の頃はカルダーの助手をイサム・ノグチもつとめたようです。
見たい・・・。
その19分の上映を凄く見たかったのですが、せめて土日はもう少し上映回数を増やしてもらいたいなぁと思いつつ渋々帰ってきました。けれどやはり諦めきれないので後日見に行こうかと思っています。


『アーティストたちのおもちゃ〜作家からの贈りもの〜』展
2004年10月18日(月)まで
女子美アートミュージアム
神奈川県相模原市麻溝台1900 女子美術大学内 / TEL:042-778-6801
10:00〜17:00(入場は16:30まで) 毎週火曜日休館
入館料:300円


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