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| >> 展覧会探訪〜No.9 『草間彌生展〜永遠の現在〜』 |
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今回は東京・竹橋の東京都近代美術館で開催中の『草間彌生展〜永遠の現在〜』についてです。
今まで、草間彌生の作品は何度も見たことがありましたが、常に他の作家も含めた展覧会においてのみでした。
先日、作家の川端康成が初期の草間彌生の作品を購入しており、その2点の作品も今回出展されるということが新聞に載っていたこともあり、興味を惹かれていた展覧会でした。
他の作家の作品も同時に展示されている展覧会においてでも、常に草間彌生は強烈なパワーを発していて、私は好きでありいつも興味がある作家でしたが、今回はまさにそのパワーを実感させられた感じでした。 実力を実感させられる絵画やコラージュから、区切られた部屋ごとにみられる数々のインスタレーションと、とても面白い展示会でした。
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《Infinity Mirrored Room - 信濃の灯》では、鏡を張りめぐらした部屋を通りました。
昔、遊園地などで入ったことがあるなと思わされる空間でしたが、面白い。
やはりどこをみても自分が映っており、見えている自分はどこを見れば見えるのか分からなくなり、なんとなく自分の立ち位置も把握できづらくなってくる。その不安定さが面白い。
《水玉強迫》では、おなじみの水玉が区切られた空間いっぱいに広がっていました。
通路のような空間の壁から床・天井まで。そして歩く分だけ残されたように、空間には黄色地に黒の水玉がついた大きなバルーンがどかんと何個もおいてありました。
攻め寄ってくるバルーンをよけるように進んでいくのだけれど、黄色地に黒の水玉に押しやられるというか、圧倒させられる。
まず日常生活で黄色地に黒の水玉がこんなに寄ってくることなどありえないので面白いのだけれど、私には想像しがたくも草間彌生にとっては、これが日常でもあったのかもしれないなと思いました。
展示の途中に一つだけ一人ずつ見る作品があり、列ができていました。
《水上の蛍》という作品で、小さめの部屋は鏡貼りの部屋で、天井からは小さな沢山の光が吊り下げられていました。
部屋の中央に行くために細い通路があり、通路の周りには水がはられている。
とても美しい世界ではあるけれど、足元の水と四方の鏡に小さな光は映り、無限の光となって自分の周りを包み込む。
そこでもやはり、一瞬自分の立ち位置が分からなくなるような感覚を覚え、自分の空間感覚がおかしくなるように思いました。
そのとなりにある《I’m Here, but Nothing》は暗闇の部屋に、日常の一つを表すリビングルームが表現されていました。
ソファーやテーブル、食器や家具があり、テレビからは草間彌生がかつて行ったパフォーマンスらしきものが映し出されている。
けれど、その空間の全ての物には沢山の水玉が貼られており、その水玉が発光して浮き出して見える。《水上の蛍》を見るために並んでいると、自然とこの空間で一時過ごすことになり、浮き上がるこの水玉の空間にいると、不思議で面白いと感じつつも、やはり空間感覚が少しおかしくなってくるように思いました。
《天国への梯子》も、巨大なキャンパスに水玉模様が所狭しと描かれたドットの絵も、見続けていると、全てが無意識に感じている上下感覚や平衡感覚などの空間感覚を揺るがされるようで、次第に草間彌生がテーマにしてきた“自己消滅”にも通じるような感じでした。
ここにいて、そしてここにいないような。
しかしそれは弱い“自己消滅”ではなく、“死”をイメージした突起物がボートや家具に山のようにくっつき、飛び出した一連の作品を見ても、もの凄い強い力を感じる。
マイナスがプラスと同等に、しかもとても強い強さで存在しているような。
その強烈な強さの根底にある、草間彌生の芸術への強いあこがれ。もっともっと努力してもっと羽ばたき、今よりももっとのびていきたいという強い思いを痛感させられて、それが彼女の全てであるのかもしれないけれど、ひたむきに芸術に向かい合うその強さに圧倒させられる思いでした。
草間彌生が抱えるもの、見えている世界や住んでいる世界ははかりきれないけれど、パワーのある作家はこういうものなのか、と実感させられるような展示で「見るべき!」と私はオススメなのですが、本当にお腹いっぱいになり、見る側にもそれなりのパワーが必要な展示だとは思いました。
正直、私も見た後はぐったりでした。
けれど、見た後ぐったりという展覧会もそう沢山あるわけでもなく、私はますます草間彌生に惹かれたので、見に行ってみてはと思います。
『草間彌生展〜永遠の現在〜』
東京国立近代美術館
2004年12月19日(日)まで
地下鉄東西線竹橋駅1b出口徒歩3分 / TEL:03-5777-8600
10:00〜17:00(金曜日は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日
観覧料:一般850円
*同時開催:「木村伊兵衛展」「所蔵作品展 近代日本の美術」
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