今回は藤原新也さんの写真展について。
私が藤原新也さんの作品を見たのは、7,8年前だったと思います。
名前も話題になった写真集や本も以前から知ってはいましたが、実際に見たこと読んだことはありませんでした。ある日渋谷のパルコブックセンターへ行き、「何か面白いものはないかなぁ」と見て回っていたら、写真集『メメント・モリ』を見つけ「これか」と手に取りました。
すでに初版が発行されてから随分経っており、また何度かの創刊もされている頃でした。
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写真集や作品集などを見ても、以前から好きだったというわけではない場合、見てすぐに買いたいと思うものに出会うことはそう多くはないのですが、その時は開いたときから食い入るように見てしまい「買って帰らねば」と思い、即購入しました。
その日のその後の予定がどうだったのか記憶にありませんが、「ゆっくり見たい」と思い電車ですぐ家に帰ったような気がします。
そして家に帰るまで待ちきれず、電車の中で食い入りように見ていたら、隣に立っていた小学校中学年くらいの女の子に「その本、なんていうのですか?」と声を掛けられました。
題名を言っても覚えられるかな?一体どのページを見て興味を持ったのかな?それともずっと隣で見ていたのかな?などと思いながら、1回は口で言い、2回目は表紙を見せながら彼女に題名を教えました。
そして、最近はまず小学生に話しかけられることなんてないよな、写真集の力かな、などとその時思いました。 |
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それからというもの写真集や著書を読み、どれも色々と考えさせられることや面白いなと思うことが多いので毎回新作が楽しみで、またずっと活動を見ていたいと思っている方です。
そして今回は「やっと展示を見られる」と楽しみにしていました。
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さて前振りが長くなりましたが、展示はデパートの大丸・東京店でした。
デパートという場所で行われることは、ギャラリーや美術館での藤原新也という人を知っている人が見に行く展示と比べ、知らない買い物をメインに会場に訪れた人も見る機会になる、ということでご本人にとっても今までの展示と異なる意味があったようです。
写真集ではなく今回私は初めて作品を生で見たわけですが、見たことのあるもの、初めてみるものも含め感じたことは、写真に凄く湿度を感じるということでした。
温かみというとなんだかただ暖かいだけのようで物足りず、写真は確かに色鮮やかではあるけれど、鮮やかだけではただキレイというだけのような気がして少し違うというか・・・。
写真に湿気を感じるような気がして、その印象が常に肯定的な意味だけではないところがいいような・・・。
藤原新也さんの作品はその写真だけではなく、そこに共にある言葉にも強い魅力があると思います。
写真を見て言葉を読む。言葉を読んで写真を見る。そしてはっとさせられる。
『メメント・モリ』の最後で言っているように、これらの写真や言葉の意味を私もどれくらい理解しているのかは分かりません。
そしてそれを理解し、超える日がくるのかも分かりません。
けれど好き嫌い、何を思う、思わないかは別にして、多くの人が見てよい展示会ではないかと思いました
しかし残念なのは19日にも行われたトークショーに行けなかったこと。
司会進行役を美術評論家の布施英利さんがしていたらしく、ますます残念でなりません。
またの機会があることを切に願います。
『藤原新也の聖地〜旅と言葉の全軌跡』
大丸ミュージアム・東京[12階] 〜2004年3月30日(火) 会期中無休
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